映画監督の鎌仲ひとみさんがコメントを寄せてくださいました。こころがあつくなります。お読みください。
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 人が人として生きるという当たり前が、
 障害があることでいかに阻まれているか、
 どれだけ私たちは知っているだろう?
この映画を観るまで私は呼吸器の存在も、
 気管切開して、呼吸器を装着する時に意志を確認される、
 ということも知らなかった。
健常者は障害者の事を理解するというより、
 私を含めた多くの人々が何か、自分とは違う存在、
 かわいそうな人たち、と捉えているのかもしれない。
一人一人に個性があるように、
 障害もまた、個性として考えられないのだろうか?
 という思いが映画を観ながら私の胸に湧いてきた。
海老原さんという希有な個性が、この映画をリードしている。
 どこまでも、障害者としてではなく、
 自分として生きようとする意志がくっきりと伝わってくる。
 そのために彼女は障害者自身が障害者の自立を助けることで
 自立していく運動に参加している。
 彼女の意志が風のようにこの映画の隅々に吹き渡っている。
また映画には何人かの障害を得た人たちが登場する。
 その一人一人にもし、自分だったらと
 自然に重ね合わせてしまうような優しいまなざしがこの映画を貫いている。
私は「障害を個性とかんがえられないだろうか」、と書いた、
 がしかし、一人一人が抱える障害は言葉そのままに簡単なものではない。
 様々な人的・社会的サポートが必要となってくる。
 それが、ここ日本では障害者の方たちに
 「生きる罪悪感」を与えている現実も見えてきた。
 まさしく、そこを権力はついても来ている。
 この部分こそが核心。
 人の生きる尊厳とはどこにあるのか、私たちは深く問われている。
 また、生きるって何?という問いも同時に。
 その人がまとう、ありとあらゆる外見を脱ぎ捨てて、
 命そのものの存在が、そこにあるのではないか。
 障害があっても、自由に、自立して自分自身の人生を送ることができる、
 そんな場所に私たちの社会がなるように、私たちに何ができるのか?
まずはこの映画を観よう!
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鎌仲さん、ありがとうございます!
 