トップページ > 映画紹介

映画紹介

<イントロダクション>

呼吸器から吹く風に乗り、つながりあう人と人との物語。
もしもあなたが、病気や障害のために身体を動かせなくなったとしたら、どんな人生を想像しますか?
映画が映し出したのは、ふつうの街でふつうの生活を送る人びと。
特別なことといえば、呼吸するための道具・人工呼吸器を使用していることくらい。
人工呼吸器。ひと昔前、それは巨大な鉄の箱で出来ていた。
こんなものに頼るならいっそ死んだ方がまし― そう思われるには、十分すぎる見た目だった。
いま、呼吸器はお弁当箱に様変わり。
散歩も旅行も買い物も、ひとり暮らしさえも可能にしてくれた。
呼吸器からは、休みなく空気が流れてくる。「シュー、シュー」と、まるで風のように。
淡々とその生活を映し出し、歩んできた人生を見つめた時、浮かんできたのは日常の尊さ。たくさんの支援が必要だからこそ、多くの人に出会え、自由に動くことができないからこそ、生きてあることに感動する。じんわりとこころを揺する、人と人とが織りなす物語。
もしもあなたに、思うように身体を動かせない、そんな日が来た時は思い出してほしいのです。
映画の中を駆け抜けていた、風の音を。
その風に包まれた人と人とが、支えあいながら生きていたことを。
2015年/日本/81分/ドキュメンタリー


 

<出演者(呼吸器利用者>

海老原宏美さん (えびはら ひろみ)

海老原さん31977年神奈川県出身。生後1年半で脊髄性筋萎縮症と確定診断を受ける。小学校から大学まで地域の学校に進学し2001年の韓国縦断野宿旅で障害が重度化、02年より人工呼吸器を使いはじめる。01年より東京都東大和市で自立生活を開始。自立生活センター東大和で障害者の地域生活に関わる権利擁護・相談支援活動等をはじめる。09年人工呼吸器ユーザーの地域生活支援のために仲間と「呼ネット」を設立。(2021年12月24日 逝去)

 

 

金子ゆかりさん (かねこ ゆかり)

金子さんの写真1986年東京都出身、世田谷区在住。生れつきネマリンミオパチーという進行性の病気で、13歳の時から常時鼻マスク型の人工呼吸器を着け、寝たきりの生活している。現在は理想とする自立生活を目標に介助者に支えられながら一人暮らしをはじめ、絵描きとしても活動中。 http://blog.goo.ne.jp/uraraurara06/ (2019年8月29日 逝去)

 

 

新居優太郎さん (あらい ゆうたろう)

新居さんの写真1999年大阪府出身、枚方市在住の高校1年生。出産トラブルで低酸素性虚血脳症になり、人工呼吸器を装着。生後4ヶ月目に気管切開をし3年間の入院後、在宅生活へ。枚方市立幼児療育園に母子通園し、小学校は大阪府立交野支援学校小学部に通う。卒業後は、普通学校で学びたいと思い、地域の枚方市立さだ中学校に入学。現在は高校生活を送っている。

 

 

小田政利さん (おだ まさとし)

小田さんの写真1968年東京都出身。幼児の頃に筋ジストロフィーを発症し、小学4年生で車いすの使用をはじめる。29歳の時、酸欠で意識不明となり、気管切開をして人工呼吸器を導入。両親は他界し、33歳でひとり暮らしをはじめ、24時間介助者が本人の指示のもと手足の代わりとなる。現在は、東京都北区にある自立生活センター・北の代表、NPO法人ピアサポート・北の理事長を務めている。「呼ネット」の代表も務め、夜は仕事の疲れを癒すために居酒屋で1杯か、自宅でテレビを見ながら食事。何か月も引っ越しの荷物が段ボールに入ったまま。探し物からはじまる毎日を送る。(2023年8月15日 逝去)

 

渡部哲也さん (わたなべ てつや)

渡部さんの写真1966年北海道出身。26歳の時、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。自身の経験を活かした障害者支援をするために、07年北海道北見市に自立生活センター北見を設立。人工呼吸器を使う準備のために気管切開をし、胃ろうをしているがまだ呼吸器は使用していない。当事者活動が生きがいで、趣味は毎晩美味しく芋焼酎を呑みながら、介助者とかわいい妻とかわいい愛犬とたわむれること。

 

▲ページの先頭へ戻る